現代社会において、資産運用の選択肢は歴史上かつてないほど多様化しています。銀行預金や国債といった伝統的な金融商品から、暗号資産やNFTといった最新のデジタル資産まで、無数の資産形成の道が開かれています。しかし、その多様性ゆえに「何に、いつ、どのように投資すべきか」という問いに明確な答えを見つけることは容易ではありません。
本書「世界の資産運用77」は、この複雑な投資の世界を整理し、世界中のありとあらゆる資産運用手法を体系的に解説する投資の百科事典です。日本の普通預金から南欧高利回り国債、米国のハイイールド預金口座(HYSAs)、スイス・シンガポールの銀行口座、メタバース内不動産、ワイン投資まで、実に77種類もの資産運用法を網羅しています。
各章の冒頭にはその資産カテゴリーの概要と特性が整理され、個々の投資手法には「リスクレベル」と「アクセス難易度」が★評価で明示されています。歴史的パフォーマンス、期待リターン、具体的な参入方法などを客観的に解説しており、「安全性重視の低リスク投資」から「ハイリスク・ハイリターンの専門的投資」まで、あらゆる投資家レベルに対応できる内容です。
例えば、「米国のハイイールド預金口座は2023年時点で年1.5〜3.5%の金利を提供」「2018年から2023年の5年間で100万円相当をニュージーランドの定期預金に預けていた場合、円ベースで約134万円になった」といった具体例が満載です。
特定の投資行動を推奨するのではなく、さまざまな投資対象や手法について客観的な情報を提供することで、読者の皆様が自らの判断で最適な資産形成の道を選べるよう、知識のインフラを提供します。本書で紹介する77の投資手法を組み合わせることで、自分だけの独自の分散ポートフォリオを構築することができるでしょう。
この一冊で、あなたの資産運用の選択肢は劇的に広がります。「卵はすべて同じかごに入れるな」という投資の格言にあるように、分散投資こそが資産を守り増やす王道です。グローバル化が進む現代において、世界中の富の築き方を知ることは、最も確実な「財産」となるのです。
【目次】
第1章:預貯金と低リスク投資
- 日本の普通預金・定期預金・財形貯蓄の活用法
- 米国のハイイールド預金口座(HYSAs)の利回り戦略
- スイス・シンガポールの銀行口座:国際分散と資産保全
- ノルウェー・ニュージーランドなど高金利国の預金活用
- 郵便貯金とゆうちょ銀行の特殊商品
第2章:債券と固定利回り投資
- 日本国債と個人向け国債の購入方法と特性
- 米国債:世界最安全資産のリターン獲得法
- イタリア・スペインなど南欧高利回り国債への投資
- 中国・インド・ブラジルなど新興国債券の魅力とリスク
- 社債投資:日本の個人向け社債とリスク管理
- ジャンク債(ハイイールド債):高リターンの見返りとなるリスク
- 物価連動債:インフレヘッジとしての活用法
第3章:株式投資の多様なアプローチ
- 日本株:配当利回り重視の銘柄選定術
- 米国大型株:GAFAM+テスラの成長力と分配金
- 欧州優良株:伝統と革新を兼ね備えた老舗企業群
- 中国株とA株:世界第二の経済大国への投資戦略
- インド株式市場:人口ボーナスを享受する新興国投資
- 東南アジア諸国の株式市場:ASEAN経済圏の成長力
- ラテンアメリカ株式:資源国への投資機会
- アフリカフロンティア市場:次の成長大陸への早期参入
第4章:ETFと投資信託
- 全世界株式ETF:一本で世界分散を実現するVT、VTIなど
- セクターETF:ハイテク・ヘルスケア・クリーンエネルギーなど
- 日本のインデックスファンド:つみたてNISA対応商品比較
- 先進国高配当ETF:インカム重視の世界分散
- 新興国・フロンティアETF:高成長市場への簡易アクセス
- ロボット・AI・サイバーセキュリティなどテーマ型ETF
- レバレッジ型/インバース型ETF:市場予測に基づく戦略的活用法
第5章:不動産投資の国際展開
- 東京都心・地方中核都市のワンルームマンション投資
- 米国シングルファミリーホーム:安定した賃貸市場と税制優遇
- 英国の学生向けアパートメント:大学都市の安定需要
- ドバイの不動産:免税国家の高利回り物件
- 東南アジアのコンドミニアム:バンコク・クアラルンプールの新築物件
- バリ島・プーケットなどリゾート物件の収益化
- 米国商業不動産:ストリップモール・オフィスビルへの投資
- 農地・林業・ワイナリーへの投資:実需と資産価値の両立
第6章:REIT(不動産投資信託)と不動産証券化
- J-REIT:日本の不動産セクター別投資口比較
- 米国REITs:物流施設・データセンター・ヘルスケア特化型
- アジアREIT:シンガポール・香港・オーストラリアの特性
- 欧州のREITと不動産証券化商品
- 不動産クラウドファンディング:日米欧各国のプラットフォーム比較
- 不動産セール&リースバック:企業不動産の流動化手法
第7章:オルタナティブ投資(代替資産)
- 金投資:実物金地金・ゴールドETF・金鉱株の違い
- 銀・プラチナ・パラジウムなど産業用貴金属への投資
- アート市場:印象派・現代アート・新興アーティスト作品
- ワイン投資:ボルドー格付けシャトーと投資適性
- 希少時計:パテックフィリップ・ロレックスなど時計投資の基礎
- 希少車投資:クラシックカー・限定モデルの価値上昇傾向
- スポーツメモラビリア:プロスポーツの記念品・トレーディングカード
- レアコイン・切手・アンティーク家具など収集価値のある実物資産
第8章:事業投資とプライベートエクイティ
- 日本のフランチャイズビジネス:コンビニ・飲食店への投資
- 米国中小企業買収(ビジネスブローカー経由)
- エンジェル投資:国内スタートアップへの出資機会
- 米国ベンチャーキャピタルファンドへの参加方法
- レストラン・ホテル・小売店など既存ビジネスへの投資参加
- 医療・介護施設への事業投資:高齢化社会のニーズに応える
- 海外の農業プロジェクト:南米・東欧・オセアニアの農地開発
第9章:金融派生商品と専門的投資手法
- 外国為替(FX):主要通貨ペアと新興国通貨の特性
- 金利スワップ:企業と個人投資家の活用法の違い
- 原油・天然ガス先物:エネルギー市場への投資アプローチ
- 農産物先物:小麦・トウモロコシ・大豆の需給サイクル
- オプション取引:カバードコール戦略の収益化
- VIXとボラティリティ関連商品:市場の恐怖指数への投資
- ストラクチャード・プロダクト:元本保証型商品と仕組債の内部構造
第10章:新世代デジタル資産
- ビットコイン・イーサリアム:二大暗号資産の特性と保有方法
- ステーブルコイン:法定通貨連動型の暗号資産
- DeFiプロジェクト:イールドファーミングとステーキング
- NFTアート・音楽・ゲーム内資産:デジタル所有権の新市場
- メタバース内不動産:デセントラランド・サンドボックスの区画投資
- トークン化証券:既存資産のブロックチェーン上での証券化
第11章:専門的・地域特化型投資
- イスラム金融:シャリア適格投資商品の世界
- インパクト投資:社会的リターンと経済的リターンの両立
- 炭素クレジット:環境貢献と投資収益の新たな形
- ロイヤリティストリーミング:音楽・特許・著作権収入への投資
- マイクロファイナンス:発展途上国の小規模事業者支援と収益
- 訴訟ファイナンス:法的請求権への投資という特殊分野
- 老齢者向け生命保険買取(ライフセトルメント):保険契約の第二市場
- 貴金属リース:工業用貴金属の供給と運用を組み合わせたニッチ市場